皆さんは、競走馬がどうやって競馬場まで輸送されるか知っていますか?
国内では、大きなトレーラーみたいな車の後ろに、競走馬を乗せて輸送します。
日本馬のレベルが飛躍的に上昇し、活躍の場を求めて海外遠征する競走馬が年々増えてきています。
競走馬は繊細な動物なので、海外へ輸送するだけでも大変な作業を要します。
今回は、その競走馬の輸送に関して紹介します。
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競走馬の輸送は神経と困難が山積み
日本の競馬場で開催されるレースには、競馬場に競走馬を輸送してレースが開催されます。
500kgもある競走馬を輸送するのは簡単なことではありません。
競走馬に少しでもストレスを与えないように、配慮して厩舎から各競馬場まで車を使って輸送されます。
競馬場の近くで大きなバスのような車が走っているのを見たことありませんか?
基本的にレースの時間に絶対間に合うように、競走馬を輸送して、会場についても少し落ち着かせる必要があります。
本来は、競走馬は自然の中を走る動物です。
車に乗る事や、揺れ、狭い空間に閉じ込められるような事をされた事がないので、非常にストレスを感じてしまったり、興奮したりします。
海外遠征の場合はどうやって輸送する?
毎年のように、春にはドバイミーティング、秋は凱旋門賞、冬は香港ミーティングなど海外遠征する日本馬がいます。
そんな海外まで競走馬を運ぶのはどうするのでしょうか。
海外遠征を行う競走馬はまず検疫厩舎に入厩します。
そこで各種検査やワクチン注射などを行い、伝染病などの拡散を防ぐ処置が施されます。
検疫厩舎で一定期間を過ごした後、馬運車で空港へ輸送されます。
空港では、ストールと呼ばれる専用のコンテナに競走馬を乗せます。
海外遠征では帯同馬が同行するケースが多いですが、ストールには3頭まで乗り込むことが可能で、同じストールで輸送することができます。
最近の海外遠征ではチャーター便を用意する場合が多くなってきていますが、一般の飛行機によって輸送される場合もあります。
ストールの内部には競走馬の食事や水が用意されており、厩舎の馬房にいるときと同じように競走馬は過ごすことができます。
競走馬を海外に輸送する時の経費は?
基本的に、国内でしか走らない競走馬は、牧場とトレセンやトレセンと競馬場など国内では車での移動が、ほとんどとなるでしょう。
しかし、強い馬になり海外への遠征の場合飛行機で輸送されることになります。
その場合競走馬は、ストールと呼ばれる3頭ほど入れるコンテナのようなものに1頭または2頭で収まります。
そのストールは貨物輸送用の旅客機に積み込まれ、目的地まで空輸されていくことになります。
ストール内の状況は、普段運ばれている馬運車と同じような作りのため馬にとっては、それほど異空間ではないと考えられているようです。
日本馬が海外招待競走に出走する場合には遠征費とは主催者側の負担となりますが、そうでないレースに出走する場合は馬主がその費用を負担しなければなりません。
競走馬の海外遠征に必要な費用は遠征先によって異なってきますが、1000万円から2000万円が一般的のようです。
JRAには重賞優勝馬を対象とした1000万円を上限とした補助金制度があります。
個人馬主の場合は個人の負担となりますが、一口クラブが馬主の場合は会員が遠征費を負担することになります。
自然界の生き物である競走馬のストレス
競走馬は馬であり、狭い場所にいるものでは無く、広大な場所で走る生き物なのでストレスは人間以上にあると考えられます。
人間でも、長時間のドライブやフライトで体調を崩すことがありますよね。
それは競走馬にも同様に当てはまります。
そのため輸送が苦手な競走馬の場合、近場の競馬場で良績が集中したりします。
競走馬が輸送でストレスを感じるとどんな症状が出てくるのでしょうか?
薄暗い荷台の狭い空間で固定されている為、情緒不安定になり暴れる事があります。
競走馬の疲労度はハッキリする
アスリートである競走馬はカロリーやエネルギーを計算された餌を食べています。
トレーニングや出走スケジュールに合わせて餌が与えられ、体重をコントロールするのですが環境の変化に敏感な馬の場合、ストレスで食が減るケースも有ります。
競走馬の場合、体調に敏感な動物なので、普段感じないストレスを感じると、食欲不振になります。
これを競馬業界では、輸送減りとも言います。
輸送の際には、水や飼い葉が設置され飲食できるようになっていますが、輸送の狭い空間が苦手な馬の場合それに手を付けないこともあります。
関東の美浦トレセンから、関西の阪神競馬場までの輸送となると、6時間以上かかるのでその間、水や餌をあまり取っていないと体重が減り過ぎて、疲労が残った状態でレースに挑むことになってしまいます。
そのため、厩舎側は馬の個性を踏まえて事前の調整をして、輸送に臨みますがその時の体調次第で、体重が減り過ぎる場合があります。
この体重の減りがレースに影響しないとは言い切れません。
また、体重が減っている場合は、調子が悪い可能性が高いので、走りにも影響する事もあるでしょう。
やはり、競走馬の輸送には、予想の警戒も必要です。
輸送のリスクで熱を出す競走馬
馬だって人間と同じく、狭い空間にずっといたら嫌になりますよね。
人間のエコノミークラス症候群というわけではありませんが、長時間同じ体勢を強いられる輸送は、馬にとってリスクがあります。
そのリスクは、輸送時間に比例するというデータもあり、20時間を超える輸送となると発熱する可能性が上がると言われています。
それに伴う肺炎を発症する可能性や長時間動かないために、腸ねん転のリスクも上がる傾向があるので、なるべく輸送時間を短くする努力がされています。
当然ながら言葉が話せないので、身体に異常が出るのでしょう。
過去に起きた、輸送事故について
どんなに注意していても、陸路を車で走るため事故は付き物です。
年間にかなりの数の競走馬が輸送されるため事故が発生してしまうことがあります。
名種牡馬サンデーサイレンスも子供時代に輸送中に事故に遭い、大怪我をした経験があります。
幼駒の頃にセリに出されたサンデーサイレンスですが、その帰り道、運転手が心臓発作を起こし馬運車が横転する大事故が発生します。
この時、同乗していた他の競走馬はすべて死亡してしまいます。
サンデーサイレンス自身も、しばらく真っすぐに歩けないほどの重症を負ったと言います。
しかし、回復し競走馬となったサンデーはアメリカのクラシックで2冠を達成するなど活躍を見せ、引退後は種牡馬として日本にやってきます。
その日本で、現役時代以上の活躍を見せ血統地図を塗り替える大活躍を見せました。
素晴らしい復活というか、生まれ持った天性と運があったのでしょう。
まとめ
今回は、競走馬が競馬場まで輸送する大変さ、海外遠征する際に航空輸送を中心に、輸送に関する話をご紹介しました。
金銭的にも体調的にも大きなリスクを承知の上で海外に挑む日本馬です。
海外遠征がより身近なものになって、遠征する競走馬も多くなりました。
また飛行機による輸送は競走馬にどうしても負担が強いられてしまいます。
凱旋門などで日本の馬があまり成績を残せないのも、輸送ストレスが大きく関係するでしょう。
ぜひ、競馬を予想する時にはストレス度も視野に入れて考えると面白いかもしれません。