ジャスタウェイはドバイレースも制覇し世界1の称号を手に入れた伝説名馬

ジャスタウェイ 競走馬解説

最強の中距離名馬と言えば、ジャスタウェイと答える競馬予ファンが多いのではないでしょうか?

ジャスタウェイは、4歳秋から5歳春にかけて、天皇賞秋・ドバイDF・安田記念とG1レース3連勝を飾った競走馬でしたが、海外の中距離レースでの活躍を見たかった程、中距離で無類の強さを発揮しました。

本記事では、世界一の末脚と評価されたジャスタウェイについて詳しく紹介します。

ジャスタウェイはどんな馬?

ジャスタウェイ

ジャスタウェイが頭角を現したのが、2歳時にデビューしてわずか2戦目の新潟2歳Sでした。

新潟2歳Sというと、直線が長い新潟外回りコースのマイル戦ということですが、、当時はどうもこのレースの勝ち馬のその後の成長力に疑問が感じられることのほうが多かったというのが正直な印象です。

しかしジャスタウェイは、モンストールの2着に敗れはしたものの、いくら時計が速い新潟であっても、さすがに上がり3Fが32.6秒という強烈な決め手が、多くのファンの印象に残りました。

翌年の勝ち馬ハープスターとともにジャスタウェイも凱旋門賞に向かったわけですから、もう「新潟2歳Sはたいへんな出世レースである」と断じてもよいのかもしれません。

ところがジャスタウェイは、新潟の呪いではありませんが、その後東スポ杯と年明けのきさらぎ賞で4着と敗れます。

続く中京のファルコンSでは、久々に豪脚を発揮し、念願の重賞初制覇を成し遂げるのでした。

それでも、春のクラシックシーズンではあまり良いところがなく、NHKマイルCを6着、ダービーを11着に大敗し、その後もなかなか勝ちきれないまま1年以上の時は流れました。

その後、手応えを感じた毎日王冠と天皇賞秋の大勝利します。

柴田善臣騎手に乗り替わった毎日王冠では、これまでこだわり続けた後方待機策を捨て、好位からの競馬を敢行しました。

その後、福永騎手に戻った続く天皇賞秋で、なんと、あの(後の)七冠牝馬ジェンティルドンナを4馬身もちぎり捨てる大勝利を手にするのでした。

あの勝ち方は、GⅠ初勝利の馬のポテンシャルとはとても思えないような、はっきりとジェンティルドンナとはレベルが違う結果だったことは間違いありません。

その後はゆっくりと休養を挟み、年明けはドバイ遠征を視野に入れ、中山記念からの始動となりました。

このレースでも、ベテランの横山典弘騎手が手綱をとり、ラチ沿いぴったりを回って圧勝するという、ベテランとベストホースが見せる芸術的なレースでした。

本番のドバイDFではまた福永騎手が手綱をとり、このレースではもうあきれるような強さ、世界の強敵を向こうにまわして先行から楽々抜け出し、後続に6馬身以上の差をつけ圧勝、ついに「世界一」の称号を手にするのでした。

下記にジャスタウェイの競走馬データを紹介します。

馬名 ジャスタウェイ
欧字表記 Just a Way
香港表記 一路通
品種 サラブレッド
性別名 牡馬
毛色 鹿毛
誕生日 2009年3月8日
抹消日 2015年1月7日
ハーツクライ
シビル
生産 社台コーポレーション白老ファーム
馬主 大和屋暁
調教師 須貝尚介(栗東)
調教助手 榎本優也

ジャスタウェイの競走成績

ジャスタウェイは過去に数多くの名勝負を見せつけてきました。

こちらでは、ジャスタウェイの過去の競走成績を一覧で紹介します。

日付 競馬場 競走名 クラス 着順
2013.6.9 東京 エプソムC GIII 2着
2013.8.11 新潟 関屋記念 GIII 2着
2013.10.6 東京 毎日王冠 GII 2着
2013.10.27 東京 天皇賞(秋) GI 1着
2014.3.2 中山 中山記念 GII 1着
2014.3.29 メイダン ドバイDF G1 1着
2014.6.8 東京 安田記念 GI 1着
2014.10.5 ロンシャン 凱旋門賞 G1 8着
2014.11.3 東京 ジャパンC GI 2着
2014.12.28 中山 有馬記念 GI 4着

ジャスタウェイのレーススタイル

ジャスタウェイ

ジャスタウェイのレーススタイルは、基本的に、追い馬でレース展開をする事が多く、第3コーナーからの勝負が多く、凄まじい脚力で競馬ファンを魅了させていました。

新馬戦での5馬身差圧勝により、新潟2歳Sでは断トツ1.7倍の1人気に支持されました。

その後2戦は惜敗が続き、迎えたアーリントンCの事です。

大外枠のスタートから最後方を進み、残り200mでもまだ後方5番手の位置します。

絶望的な位置から次元の違う末脚を発揮し、全頭ゴボウ抜きして1着でゴールを駆け抜けました。

開幕週の阪神競馬場で前半の800mの通過タイムが48.7秒のスローペースです。

明らかに先行勢有利な展開だったが、最後方からのレースで勝利を飾ったジャスタウェイでした。

ジャスタウェイの名勝負

ジャスタウェイの伝説に残る名勝負は、ドバイDFレースでしょう。

初の海外遠征となったドバイDFでは、直線で後続を突き放して6.1/4馬身差で圧勝しました。

国際レーティングで130ポンドの評価を受け、日本競馬史上初となる単独1位にランキングされ、世界一の馬として人気になりました。

ジャスタウェイの引退後

ジャスタウェイ

初年度の種付料は350万円であったがすぐさま満口となり、初年度から220頭の繁殖牝馬との種付けを行いました。

2016年のセレクトセールには、さっそく当歳馬19頭が上場し、1頭目に上場されたレイズアンドコールの16(カリボール)を大和屋が4700万円で落札しました。

コーフィールドカップ優勝馬アドマイヤラクティの半弟にあたるアドマイヤテレサの16(アドマイヤジャスタ)を近藤利一が1億4000万円で落札し、これがセールに出場した19頭中最高額となりました。

2018年より初年度産駒がデビューし、その中からアドマイヤジャスタ、ヴェロックスが翌年のクラシック競走に出走しています。

ヴェロックスはクラシック3戦全てに出走し勝利は果たせなかったものの、皐月賞で2着、日本ダービー・菊花賞で3着と3戦全てにおいて馬券圏を外しませんでした。

ドバイで手に入れた世界一の称号

ジャスタウェイ

ドバイDFではまた福永騎手が手綱をとり、このレースではもうあきれるような強さ、世界の強敵を向こうにまわして先行から楽々抜け出し、後続に6馬身以上の差をつけ圧勝、ついに「世界一」の称号を手にするのでした。

本格化した天皇賞秋から数え、わずか半年足らず、わずか3戦目という、まさにシンデレラボーイとなったジャスタウェイでした。

600万米ドルという高額賞金をドバイDF制覇によって手にしたのは素晴らしいですが、それ以上に、何かと厳しいコメントを残す須貝調教師が思わず涙をこぼすというワンシーンも、見ているほうからしてもジーンとくるシーンでした。

七冠牝馬ジェンティルドンナや三冠馬オルフェーヴル、そしてあのディープインパクトをもってしても、「海外帰りは勝てない」とされた安田記念に、ジャスタウェイはドバイからの復帰戦を定めます。

福永騎手が乗れなくなったこともあって、ジャスタウェイにとっては思い出深い柴田善臣騎手と再びタッグを組んで臨む安田記念でした。

乗り替わり、ドロドロの不良馬場でいろいろなプレッシャーもあり、またレースでも有力馬から執拗なマークにあう厳しい競馬でした。

まとめ

ジャスタウェイ

ジャスタウェイは総収得賞金595,694,000円と、6億円近い賞金を得た名馬です。

そして、現在も種牡馬として活躍しています。

きっと種牡馬としても、自身の力強さ、鋭いキレ、そして勝負根性を産駒に伝え、代表産駒一覧に名馬を連ねてくれるのではないでしょうか。