競走馬は調教次第ですべてで人生が変わる!調教の種類3点も含め解説

競走馬 調教 競走馬トリビア

競走馬の調教と聞いて何をイメージしますか?

そもそも競走馬は、速く走るために産れたサラブレッドです。

サラブレッドは血統などから速く走る素質がある馬ですが、調教次第では、素質以上の成長を見せる事があります。

その大事な役目を行っているのが調教師です。

今回は、競走馬の調教師がどんな調教をするのか紹介します。

調教とはどんなものか

競走馬 調教

調教とは、関東と関西のトレーニングセンター(通称トレセン)で行われる競走馬のトレーニングの事で、調教師の指示によって行われます。

中央競馬のトレーニングセンターは関東は茨城県にある美浦トレーニングセンターです。

一方、関西は滋賀県の栗東トレーニングセンターの2カ所となっています。

調教にはさまざまな意味があり、馬体を減らす為のものや、馬にやる気を出させる為のもの、トレーニングの名の通り、心肺機能やスタミナ・スピードを鍛えるものがあります。

競走馬はレースに出るまでの間、さまざまな調教が施されます。

また、調教は牧場での馴致が始まってから、引退するまでズッと続けられます。

では、どのような調教があるのでしょうか。

各馬が厩舎に入厩してからの調教方法を見ていきます。

今回は、調教ってどういうものがあるのかだけを覚えてください。

まず、どういった調教があるのかと言いますと、大きく分けて「3つ」に存在します。

その3点をまずは説明します。

① コース追い

競走馬 調教

実際のレースに近いコースで調教をつける事により、コーナーでの曲がり方や、折り合いをつける勉強にもなります。

つまりレースのイメージを覚えさせるために使用されます。

さらに、長い距離を走らせることによりスタミナ面の強化にもつながります。

一昔前までは、ほとんどがこのコースでの調教がメインでした。

② 坂路(はんろ)追い

競走馬 調教

これは読んで字のごとく、坂道を走らせる調教になります。

1985年に導入されたこの坂路調教により、日本の競馬は加速度的に進歩しました。

傾斜のある走路を走ることで筋力がアップし、その馬のスピードの強化に非常に有効とされています。

現在、ほとんどの競走馬はこの坂路での調教を行っています。

ただし、スピードアップの効果がみられる反面、脚元への負担は大きくなるため、故障リスクも増加します。

しかし、競馬場によっては最後の直線が上り坂にもなっている場合もありますので、非常に有効な調教方法になると思います。

③ プールでの調教

競走馬 調教

大きく分けると上のコース追いと坂路追いがメインですが、付随してプール調教というモノもあります。

プールで馬を泳がし、心肺機能のアップを図ります。

上の二つに比べて、能力のアップは僅かですが、水中での浮力により脚元への負担は軽減されます。

さらに、リフレッシュ効果もあるとされています。

この調教は、馬の脚にも負担が無く、非常に効果的だと言えるでしょう。

以上が、大まかな競走馬に施される調教です。

次に、競馬新聞等に載っている調教欄に書かれている語句について説明していきます。

競馬新聞の調教内容を見る

競馬新聞には、必ず調教の内容が明記されています。

その中でも下記のものがありますので、しっかり覚えて確認しましょう。

■ 単走

これは「コース追い」にしろ、「坂路追い」にしろ1頭だけで走る事を示します。
正確なラップを刻み、レースでの力配分を身につけるのに有効です。

■  併せ馬
次に単走とは違い、2~3頭一緒に併走して走る事を示します。
他馬と走ることにより、競争心を煽る効果がある事や、逆に、レースで燃えすぎる馬に対しては、この併せ馬で、わざと力を抑える事で、折り合いをつける効果が出てきます。

■ 15-15

1ハロンを15秒刻みで走る事を示しています。
本格的な調教が始まる前のウォーミングアップの面と、ラップ通りに走らせることにより、折り合いをつける効果があります。

この3点が競馬新聞には記載されています。

「調教師」は、何を仕事にしているのか

競走馬 調教

では、調教内容をわかった上で、調教師のお仕事はどんなものなのか確認しましょう。

調教師の仕事を簡単に説明すると、競馬に使われる競走馬を馬主から預かり、育成と訓練をしてレースに出走させるということになります。

厩舎を自ら経営し、調教師や調教助手を雇用して競走馬を出走させながら、賞金と馬主からの預託料で運営していくという流れです。

ただ、馬を鍛錬し調整するトレーナーということだけでなく、預けてくれる馬主を探したり、騎乗してくれる騎手を確保したり、出走するレースを決めたりと、競馬をマネジメントする大きな役割も存在します。

厩務員とは?また収入面はどのくらい

競走馬 調教

続いて紹介するのが、厩務員という職業の方です。

厩務員とは、広くは馬の世話をする人のことで、 競馬においては厩舎に所属し、調教師の指示の元で担当する競走馬の身の回りの世話を行う者を指します。

厩務員の主な収入は、厩舎で働くことで得られる調教師からの給料と、担当馬がレースで勝利したときに得られる進上金です。

進上金とは、競走馬がレースで活躍して賞金を獲得した際、その賞金の中から騎手や調教師や厩務員等に支払われるお金のことで、厩務員の取り分は一般的に5%とされています。

賞金を獲得した競走馬を担当していた厩務員が5%の進上金をすべて受け取ることもあれば、厩舎によっては所属馬の獲得した賞金から支払われる進上金を、厩舎に勤める厩務員や調教助手などで均等に分けるというケースもあります。

JRAの厩務員の基本的な平均年収はおよそ800万円だと言われており、そこに担当馬が獲得した進上金が加算される仕組みなので、獲得賞金の多い競走馬を担当している厩務員ほど年収が高くなります。

NARの厩務員は場所によって待遇がまちまちなので収入面は一概には言えませんが、JRAの厩務員よりも平均年収は低い傾向にあるようです。

まとめ

競走馬 調教

今回は、競走馬に調教にまつわる内容を紹介しました。

単に調教と言っても、馬の調教はかなり神経を使う仕事だと思います。

超高額で落札された馬が、調教のミスで1勝も出来なかたったり、怪我をしてしまったら問題ですからね。

しかし、毎日愛情を注いで育て上げた競走馬が晴れ舞台で活躍し、勝利するという感動は、この仕事以外では決して味わうことのできない感動です。

競走馬牧場で働く者はみな、その瞬間を夢見て日々の仕事に励みます。

調教の目的は「競走馬の能力の強化」と「調子を整えること」です。

まず競走馬の能力の強化についてですが、2歳で厩舎に入る競走馬は肉体的にも精神的にもまだまだ幼いというの実情です。

「馬の1歳は人の4歳に換算する」とよく言われますが、それで考えるなら0歳、1歳、2歳で厩舎に入った競走馬は、人間で考えると12歳となるわけです。

人間でいう12歳となれば、まだまだ幼いですよね。日々馬体は大きくなり、精神面も大人びてきます。

そのためのトレーニングは欠かせません。

調教の目的の一つである「競走馬の能力の強化」の意味がここにあります。

調教の目的の2つ目は「調子を整えること」です。

当然ながら競走馬も生き物ですから、人間と同じように調子の波というものが存在します。

例えば一流のプロ野球選手でも調子の悪い時の成績は散々たるものがあります。

それと同じように競走馬も調子の良い時と悪い時があり、この調子をレースに向けてコントロールしていくことが勝利の秘訣となります。

そのために調教は計画的にメニューが組まれて行われていくわけです。